「バディモン5 望まれざる者」
パリといえば、セーヌ河沿いの観光名所あたりの映像しかテレビでは流されない。ずっとむかしと変わらない。ずいぶん前のことだが、パリに行ったとき、高層ビル群を見かけた。新宿副都心のよう。ビジネス街だろう。現在は、さらにビル群は増えていることと思う。
居住地はどうか。団地もたくさん建設されてきたと思うが、その姿をみることは少ない。映画でたまに見るぐらいか。数年前、「ガガーリン」という旧ソ連の宇宙飛行士の名を冠した映画があった。当今では考えられないが、当時、建設された団地エリアがガガーリン通りと命名された。その団地が老朽化により取り壊しになるといった映画だった。
アートセンターで「バディモン5 望まれざる者」を観た。「ガガーリン」同様、パリ郊外の老朽化した団地を描いたものだ。
バディモン地域には低収入の労働者や移民が多く住んでいる。老朽化した団地ビルの取り壊しが進められていた。エレベーターは修理されず、棺を運び出すにも難渋する始末だった。
映画は、冒頭、団地ビルが爆破されるシーンが映し出される。手違いがあったのか、爆風を受けた市長は命を落としてしまう。市長を代行することになった小児科医のピエールは、温厚そうに見えたが、この地域の再開発と治安維持に強硬策を打ち出す。周りは戸惑うが、貧困移民には不寛容な策を強行しようとする。
一方、団地でケアスタッフとして働くアビー(移民女性)は、行政の怠慢さと欺瞞に批判を強めていた。あらたな団地ビルも設計変更されてしまっている。アビーは市長選に立候補することを決意する。
団地に火災がおきれば、行政は居住不適切とか危険だからと言って、住民を強制的に立ち退きさせる。追い出されれば、居住者はホームレスになるしかない。理不尽な仕打ちである。
といったことで、暴動が起きる。そして・・・といったストーリーである。
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