戦禍の臭い 『戦争語彙集』
ロシアによるウクライナ侵攻はいまだ収束の兆しはない。もういい加減にしたらと言いたいのだが、それは部外者の見解であって当事者はそうはいかない。それはわかるが、第三者第三国は、関心も支援も薄れている。
『戦争語彙集』を読んだ。避難するウクライナの人たちが語ったことを証言集としてまとめたものである。タイトルから、戦時下に生まれた新語とか新表現を事典のようにしたものと思っていたが、そうではなかった。インタビューの断片集である。
意外性はさほどない。ブチャでの悲惨な映像を目にした者にとっては、そうだろうなあと、うなずくだけで、それ以上の感慨はでてこない。疲れかもしれない。
それでも、印象に強く残るものもある。たとえば臭い。
「痛みの臭い、忘れられるもんじゃない」。「金属っぽい甘い血液の、何日も洗ってない体の臭い」
映像や音声は記録に残る。痛みはわかるが、臭い、匂い、嗅覚といったものは表現しにくいから記録には残らない。
バラの匂い、リンゴのにおいはわかる。しかし、痛みの臭いは・・・想像できない。
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