「ありふれた教室」
アートセンターで「ありふれた教室」を観てきた。タイトルからすると、どこにでもある普通の学校で起きた事件を描いたものと想像したのだが・・・
ドイツのある都市の中学。新任のカーラ(レオニー・ベネシュ)は数学を教えている。学校では盗難事件が何度も起きる。カーラは財布の入った上着を置いたままで教室に向かう。財布が盗まれるのではないかとパソコンのカメラ機能を作動させておいた。職員室に戻り、財布を確かめるとお札が抜かれていた。画像を確認すると女性のブラウスが映っていた。学校の事務員だった。カーラが受けもつクラスの生徒の母親でもあった。事務員を呼び、盗ったのではないかと事情を問う。事務員は盗んでいないと、逆切れしてしまう。
カーラは校長に事情を説明する。校長は事件にはしないが会議を開く。教師仲間の見解はさまざまだった。カーラのやりかたはおとり捜査だと非難する教師もいた。このいきさつは保護者に漏れ、生徒も事情を知ることになった。カーラへの批判、生徒へのいじめ、学校批判など事態は紛糾することとなった。カーラはボタンを掛け違えてしまったのかと悩み、混乱する。学校全体がパニック状態となっていく。どうなるのか。
カーラはポーランド出身、件の事務員はトルコ系(だったと思う)。フランスもイギリスもそうだろうが。ドイツが移民社会になりつつあることも映し出している。先だって観た「ミセス・カーラ VS. ジョージ・W・ブッシュ」もトルコ系の移民の話だった。
ラストはわかりにくい。この映画も判断を観客に委ねるということか。少年がカーラが貸し与えたルービックキューブを完成させるシーンが映し出される。少年と心が通じ合ったとも考えられる。事態は収まることを予感させる。
主演のレオニー・ベネシュは「白いリボン」に出ていたという。10年以上前の映画。不朽の名作と言ってよい。あの少年少女たちの一人を演じていたのか。「白いリボン」も村全体が疑心暗鬼に包まれ、集団パニックというか統合失調症に陥っていく映画だった。ちょっとだが、つながっている。
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