鶴川寄席 扇辰・兼好二人会
梅雨明けすると暑く晴れた日が続く。炎天下を歩くのは避けるようにしているが、外出となるとそうもいかない。直射日光を浴びる腕がじりじりする。5分も歩かないのに汗が噴き出す。
鶴川寄席に行ってきた。会場のポプリホールは駅のそば。わずかしか歩かないけど、炎天の厳しさを感じる。
今回は入船亭扇辰と三遊亭兼好の二人会。いずれも人気の噺家である。
演目
扇辰 蕎麦の隠居
兼好 応挙の幽霊
兼好 一分茶番
扇辰 匙加減
馴染みのない演目が多い。これは、扇辰さんの演目が他の人があまりやらないものが多いからかもしれない。
扇辰さんの「蕎麦の隠居」。そのまえにチラシの写真をご覧いただきたい。扇辰の辰という字が変。辰の上に一本余計な横棒がある。デザイン的には違和感はないが、字としては間違っている。扇一辰になってしまう。扇辰さんはこれにクレーム、苦情を言った。で、本題に入った。蕎麦屋に毎日やってくる客(隠居)が苦情を言うという噺である。いちいち小うるさい。とはいえカスハラほどではない。
以前「TBS落語研究会」だったか、テレビで聴いたことがある。もちろん扇辰さん。他の人では聴いたことがない。
トリの「匙加減」は、医者が品川の茶屋で働くお浪に惚れて身請けをする噺である。身請けしたが証文はもらっていなかった。店の強欲おやじはちゃんと身請け金を払えと医者に迫る。もちろん払わない。奉行所に訴えて、お裁きとなる。登場するのはもちろん大岡越前。どのように裁くかといったストーリー。あまり聴かない噺だが、一度だけ聴いたことがある。たぶん同じ扇辰さんだったような気がする。
人があまりやらないような噺を持ちネタとするのが扇辰師匠である。
兼好さんは、いつものように明るくにぎやかである。テンポも心地よい。マクラの話題もおもしろい。今回は新札ネタ。新札に描かれた人物画は気むずかしい顔をしている。笑っていたっていいじゃないか。そんな話だった。
「一分茶番」は素人芝居の噺。これも「落語研究会」で聴いたような子がする。兼好さんだったかどうかは忘れた。
登場するのは権助。権助と言えば飯炊きである。その飯炊き権助がしろうと芝居に引っ張りだされる。演目は忠臣蔵の七段目。とうぜんまともな芝居にはならない。どたばたとなる。爆笑もの。こういう噺なら兼好さんである。兼好さんに人情ものは似合わない。
ということで、暑さを忘れる落語会だった。でも、そとに出ると、まだまだ暑い。汗が噴き出す。まずはビールだな。
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