「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
アポロ11号が月面に着陸したのは1969年、今から50年以上前のことである。
宇宙服を着たアームストロング船長等の月面での活動が世界中にリアルタイムで放送された。現場からのテレビ中継。あれには驚いた。今では当たり前のことだが、月からの映像がたちまちのうちに届くなんて、信じられなかった。
だから、疑いをもつ人もいた。あれはフェイクだと。といったうわさがささやかれた。今なら、かなり拡散したかもしれない。
その噂ばなしをヒントにした映画が「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」である。イオンシネマで観てきた。
ケリー(スカーレット・ヨハンセン)はPRのエキスパート。政府機関の要請でNASAに送り込まれた。アポロ計画はソ連に対抗するための国家事業である。なにがなんでも成功させなければならない。この事業の責任者は、失敗してもいいような策略をケリーに打ち明ける。NASAの基地内に月面を作り、アポロとそっくりの活動を放送するというフェイク計画である。ケリーは計画に疑問を抱きながらもそれを受け入れ、宇宙飛行士らのPR活動につとめる。
発射責任者のコール(チャニング・テイタム)は当然反発するが、ケリーの説得により、協力することになる。
で、ここから。すんなりフェイク作戦は進むと思われるが、そうはいかない。猫が邪魔をしたり、紆余曲折がある。このあたりがドタバタ。おバカ撮影監督が笑わせる。全体を通じてギャグと素早いテンポのしゃべりがつづく。いかにもハリウッド的。軽快である。
タイトルはもちろんあのヒット曲であるが、劇中ではちょっと歌われるだけ。フランク・シナトラの歌声はない。「ムーン・リバー」も出てくるが、これも短い。
「スペースカウボーイ」というイーストウッドの映画があった。そこではフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンが流れていたような気がするが、どうだったか、自信はない。
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