「お隣さんはヒトラー?」
アイヒマンが南米でモサドのよって拘束されたのは1960年。その時代の話である。
ポーランドからコロンビアに移住したポルスキーは町はずれの一軒家に住んでいる。隣にドイツ人のヘルツォークが引っ越してきた。隣家と境界争いとなり、庭で大切に育てていた黒いバラの木は隣家側となってしまう。隣の飼い犬が立ち入ったり何かとトラブルになる。ヘルツォークはいつもサングラスをしている。どことなく胡散臭い。ある日、サングラスを外したヘルツォークの目を見て、ヒットラーではないかと疑いをもつ。風貌はヒトラーに似ている。そうか、ヒトラーは生きており、南米まで亡命したのではないかと疑い、隣家を探ることになる。
ヒットラーのプロフィールや身体的特徴、趣味嗜好まで調べ上げ、隣人がヒトラーであることを確信する。当局にうったえるが、取りあってくれない。
交流がないわけではない。互いにチェスが好きであることがわかる。手合わせをすることになる。落語の「笠碁」を思い出すが、同じようではない。
ポルスキーはホロコーストで家族を喪くしており、ナチスに対する憎しみは消えるものではない。さらに身体的特徴、嗜好などを探り、決定的証拠を見つけようとする。
で、どうなるか、であるが、それを言えばネタバレになってしまう。ネタバレの部分がおもしろく、笑えるのだが・・・。意外な展開が待ち構えている。
音楽も軽く、コメディータッチ。深刻さを和らげるような雰囲気となっている。落語を聴くような感覚で気楽に観ることができる。
この映画、ポーランドとイスラエルの合作。2年前ほどの作品である。今のイスラエルを考えると、こんな映画を作る雰囲気になっていないかもしれない。
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