「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」
マルコ・べロッキ監督の「夜の外側」の前編を観てきた。6時間近い大作。上映は2回に分けて行う。それでも3時間近くなる。尿意との戦いになるかもしれない。
1978年の3月、キリスト教民主党の党首(元首相)のアルド・モーロが極左グループの「赤い旅団」に誘拐される。イタリアをゆるがす大事件となったが、わたしはそんな事件があったのを知らなかった。
モーロは共産党との連立を模索していたが、賛否両論があり党内はもめていた。そんな折、議事堂に向かうモーロの車は赤い旅団のグループに襲撃され、モーロは誘拐されてしまう。ここまでが第一話。以下、前編は三話まで続く。
第二話は内務大臣のコッシーガを中心に描かれる。コッシーガはモーロを師と仰ぐ人物で、モーロ救出に奔走する。ローマに警備の包囲網を作り、通信傍受センターを開設する。誘拐から14日後、モーロからの手紙が届く。
第三話は、教皇パウロ6世が描かれる。教皇も救出策を考えていた。信者、国民に、モーロ救出を祈ろうと呼びかける。その一方で、寄付で集めた資金を身代金にしようとするが、強行派はこれに反対する。赤い旅団から教皇あてに手紙が届き、ひそかに救出交渉に乗りだす。
ここまでが前編。一話ごとに主人公が違う。ということは4話以下も視点が違うことが予想される。
印象に残るのは、教皇の苦悩ぶりである。すぐれぬ体調で知恵を絞る。教皇としての立場を崩さずに、モーロを救出するにはどうしたらよいかを画策する。
重厚な映画である。この先が気になる。つまらなければ続編は観ないつもりだったが、そうはならない。後編のチケットを予約した。
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