「ラストマイル」
久しぶりにスリリングな日本映画を観た。「ラストマイル」。
巨大な宅配用の物流倉庫を舞台とするものだ。アマゾンの配送センターを思い浮かべればよい。宅配品が届け先の家庭で爆発する。爆発物が仕掛けられていた。犯行声明があった。12個に爆発物を仕掛けたとのメッセージ。折しもブラックフライデー。もっとも忙しい時期である。一つずつX線検査で確認しての出荷となるから、入庫も配送も大混乱となる。
巨大配送センターを舞台とした映画はいくつもあった。低賃金で仕分けや配送を担う労働者を描いたもの。今回の「ラストマイル」も同様であるが、それと並行して爆発藩を追うサスペンスものとなっている。ちなみに配送者の収入は一個配達して150円。
派手なアクションシーンはない。スタントをつかうような派手な爆破シーンもない。そのあたりは控えめである。
脚本は野木亜紀子、監督は塚原あゆ子。いずれも女性。主人公のセンター長も女性、満島ひかり。アクション映画にしてはハードではない。まなざしは優しいし、細やか。
センター長は倉庫を止めないように踏ん張る一方で、犯人探しの手がかりを探る。内部の犯行が疑われる。
警察は、つまり男性群はほどよくバカに描かれる。ま、よくあるパターン。ラストまで緊迫した展開となる。脚本がうまい。楽しめた。
この映画、かつてのテレビドラマの延長にあるという。観ていないし、まったく知らなかった。
タイトルのラストマイルは、ラストワンマイルともいう。むかし耳にしたことがある。配送の最後は人の手になる。インターネットがどれほど発達しても、最後に届けるのは人力、ヒトになるといった意味で使われた。そうなのだが、いずれ、ドローンやロボットに変わっていくことになるかもしれない。
しんゆりのイオンシネマにしては観客は多かった。大ヒット映画になるかもしれない。
« 喬太郎・白酒・一之輔三人会 | トップページ | 「きみの色」 »
「映画」カテゴリの記事
- 「侍タイムスリッパー」(2024.10.05)
- 「憐れみの3章」(2024.10.02)
- 「しんゆり映画祭」は今年で30年(2024.09.30)
- 「スオミの話をしよう」(2024.09.28)
- 「ナミビアの砂漠」(2024.09.26)
コメント