「愛に乱暴」
イオンシネマで「愛に乱暴」を観てきた。江口のりこ主演。江口ファンとしては見逃すわけにはいかない。
ずいぶん売れっ子になった。むかしから、突き放したような演技やけだるい雰囲気が気に入っていた。一度だけ立ち話をしたことがある。それはどうでもよい。
桃子(江口のりこ)は夫の実家の敷地内で暮らしているごくふつうの主婦。しかし夫(小泉幸太郎)との関係は倦怠期というか稀薄になっている。ノラ猫を捜したり、ごみ置き場を清掃したりする日々。夫から、つきあっている彼女がいると告白される。すでに子を宿しているという。これをきっかけに桃子の気持ちはゆがんでいく。居間の畳をあげ、買ってきたチェ-ンソーで床板を切り取る。ジェイソンを思い浮かべる。床下に秘密がありそうだ。家庭菜園でとれたスイカを女のもとに持っていくシーンも意味ありげ。といった展開で、桃子の行動はさらに異様になっていく。
カメラは手持ち、桃子の背後から撮影する。桃子のいらだちというかやり場のない感情を映し出す。
さわやかな映画ではない。すっきりしないけど、ラストはおだやかである。アイスキャンデーを食べるような清涼感が伝わってくる。
ついでのひとこと
と、書いてみたが、すっきりした文章になっていない。ネタバレを避けようとしているせいか。
源氏物語のシーンが浮かんだ。スイカを持って女に会いに行くシーンは光源氏が妻を寝取った柏木と会って相手を非難する場面と重なる。設定は似ている。
桃子は、過去と決別する。どう生きていくのだろうか・
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