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2024年10月17日 (木)

一之輔独演会

 落語に出かける回数が減った。

 目が悪くなったので、夜の外出は避けるようにしている。暗くて鳥目状態になる。視野も狭くなり、とくに足下が見えない。近所ならどこに段差があるか分かっているので、転ぶようなことはないけれど、念のため懐中電灯を照らしながら慎重に歩くようにしている。

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 春風亭一之輔独演会に行ってきた。夜席である。会場までは五分ぐらい。勝手知ったる道である。

 一之輔は人気の噺家。「笑点」のメンバーとなってさらに知名度は上がっている。1000人収容できる大ホールは満席となった。

 マクラは「笑点」ネタではない。これがよい。「笑点」の裏話をすれば客受けはするけれど、安直。笑点芸人にはなっていない。

 大谷の話題。大谷の話ではなく、マスコミ批判。デコピンの始球式に大騒ぎなどするな。あんなの誰でもできる、と。

 今回の演目

 つる

 夢八

 うどん屋

 ふつうの落語ファンならおなじみの噺である。「つる」と「夢八」はずっと前、一之輔が真打になるかならないころ、聴いたことがある。あのころは月一ぐらい、一之輔の会に出かけていた。いずれも当時よりバージョンアップしている。より勢いがついてきた。あれこれ工夫しているのがわかる。立ちどまっていないところがよい。この工夫と言うかブラッシュアップが人気につながっている。トレーニングを怠らない大谷と似ている。

夢八」は首吊りの噺である。知らないうちに首吊り死体とともに夜をあかす。一種の怪談。首吊り男の演技が怖い。そこが見どころと言えば悪趣味になるが、一度見ておいた方がよい。おすすめだが、いつやるかはわからない。

うどん屋」は酔っぱらいの噺。「夢八」が夏向きならこちらは冬の噺。季節にはまだはやい。結婚式に行ってきたという酔っぱらい男が屋台のうどん屋にからむという噺。「替り目」とか酔っぱらいが登場する落語はいくつもある。それらの中でも「うどん屋」が酔っぱらいものの代表。小三治のを聴いたことがある。小三治バージョンにはしみじみさがある。これに対し一之輔バージョンは若さがある。ちょっと乱暴。それぞれ愉快である。オチは同じ。

 一之輔は「週刊文春」でコラムというか日記を隔週で載せている。これも笑える。おすすめ。

 

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