「八犬伝」
「八犬伝」を観てきた。それほど期待していたわけではなかったが、おもしろかった。
滝沢馬琴(役所広司)と葛飾北斎(内野聖陽)の戯作談義というかおしゃべりを軸に、CGを駆使した「南総里見八犬伝」がダイジェストして描かれる。
役所広司と内野聖陽の熟練した演技がみものだが、虚実の先にある世界がもうひとつのみどころとなる。
二人は鶴屋南北の芝居を観に行く。馬琴は芝居がそれほど好きではなかったが「四谷怪談」と「忠臣蔵」に引き付けられる。舞台を観た後、奈落にいく。そこで天井(舞台)から顔を出した南北と出会う。
忠臣蔵は史実をもとにした物語である。四谷怪談はまったくの虚、フィクションである。しかし、実の裏に虚があり、実の向こうは虚となっている。虚とか実とか表面だけではわからない、そこがおもしろい。南北はそんなふうに自作を語る。(「四谷怪談」は怪談の奥底にある因果応報、輪廻といった思想があるのだが、ここでは触れない)
なるほどと思う。南北をだれが演じているか暗くてわからない。エンドロールで立川談春とある。そうだったのか。たったワンシーンだが、この掛け合いが印象に残る。この映画いちばんの名シーンである。
ということで、おすすめ。
ところで、かつて八犬伝に登場する剣士の名を覚えていた。NHKの人形劇もときおり見ていた。犬塚信乃、犬飼現八・・・あとはすっかり忘れてしまった。
しんゆり映画祭初日に役所広司さんのゲストトークがあった。残念なことに私は見ることはできなかったが、お客さんには楽しんでもらえたということだ。
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