「イナカ川柳」
俳句ブームが続いている。川柳も人気がある。
「サラリーマン川柳」は勤め人の悲哀や自嘲を詠んで笑える。「シルバー川柳」も老人力というか、ほどよいボケ程度が好もしい。
「イナカ川柳」があることを知った。斎藤美奈子の著作で紹介している。図書館で借りて読んでみた。ただ川柳が並べてあるだけだから、活字は大きく、眼に優しい。
当然、田舎暮らしを笑うとか、自嘲したものがほとんど。過疎、老人ばかり、野生動物の出没、不便、独身男(嫁こない)、町興し、にぎわう病院・・・アルアルである。俳句なら凡人の句となるが、川柳は、その凡庸さを楽しむ。芸術性などどうでもよい。
いくつか並べてみる。
長男と 余った野菜は いつもある
ウインカー 左に出して 右に行く
ばぁさんは 歩く田舎の 盗聴器
結婚は しなくて良いから 孫を産め
また来たぞ 脱サラしたての そば職人
ラブホテル 潰れた後に ケアハウス
青年が 一人もいない 青年団
10年近く前に出た本だから、現在とは多少の差がある。外国人妻を詠んだものがあるが、今は、どうなっているのだろうか。
コロナ禍があり、デフレが続いた。円安といより円弱で日本経済の立ち位置は変わった。
朝日新聞の歌壇に田舎を詠んだ短歌を見つけた。
コロナ禍が葬儀大きく変えゆけり田舎といえど家族葬のみ
田舎に家族葬が進み、シカやクマが都市部に出没するようになった。田舎と都会の差は縮まっている。
田舎に限界村落があり、都会に限界団地(マンション)がある。
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