「侍タイムスリッパー」
映画好きの友人が「侍タイムスリッパー」を観て、おもしろかったと言っていた。その映画のことは知らなかった。なんでも、たった一館で上映されただけなのだが、SNSや口コミで話題となり、上映館が広がっていったということだ。ふーん、「カメラを止めるな!」か。いずれどこかで観ようとおもっていたら。新百合ヶ丘のイオンシネマでやることになった。タイミングがよい。
自主映画である。しかも時代劇。低予算で時代劇を撮るのは難しい。そこを乗り越え、多くの協力を得て作られたという。有名な役者はでていない。宣伝費もかけられない中での上映の広がりは大したものだ。すでに100館を越えているという。大ヒットといえる。
幕末、会津の侍が薩摩の侍との斬り合いの最中、雷に打たれてしまう。気がついたときは京都の時代劇の撮影所。武士姿だから違和感はない。撮影中の映画のエキストラとなる。斬られ役である。この姿が堂に行っていて美しい。以後、斬られ役の役者となっていく。福本清三を思わせる。
「カメ止め」より丁寧に作られている。幕末の侍が現代にタイムスリップするのだから、ズレが生ずる。そこがクスリと笑わせる。途中、ちょっとダレるが、斬りあっていた薩摩の侍もタイムスリップしていて、映画に登場する。ここから立て直して、映画は締まっていく。
監督の安田淳一は米作りをしながら農閑期に撮影をするという。半農半映の二刀流である。映画はとりわけ殺陣、立ち回りのシーンがよい。時代劇ファンでなくてもはたっぷり楽しめる。
NHK朝ドラ「オードリー」が先月まで再放送されていた。撮影所の話である。「侍タイム」はその雰囲気と似ている。長嶋一茂が役者役で出ていたが、この映画の主演の山口馬木也は一茂と似ている。
で、結論。というほどのことではないが、ラストの一瞬をお見逃しなく。
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