競馬好き芸人の会
柳亭市馬の持ちネタに「掛け取り」がある。天下一品の名人芸である。
この「掛け取り」を弟子の柳亭市若がやるという。その心意気を評価したい。二つ目の市若が師匠の芸にどれほど迫れているか、出来具合を見てみたい。
同じ二つ目、立川志らくの弟子の立川志らぴーとの二人会である。題して「競馬好き芸人の会」、そのまんま。競馬好きの会である。
冒頭、二人は京都競馬の10レースを予想する。落語が終わるころ、ラジオの競馬実況放送を流すという仕掛けになっている。
今回の演目
市若 出来心
志らぴー 親子酒
志らぴー 悋気の火の玉
市若 掛け取り
中入り後の志らぴーの「悋気の火の玉」、マクラは幇間の話だったが、途中でやめてしまった。「幇間腹」をやるつもりが心変わりして、「悋気の火の玉」となった。客席の私は「幇間腹」を続けてとリクエストしたのだが、無視された。ふん。
「掛け取り」は暮れの噺。掛け売りの金をもらいに来た商人たちの請求をうまくかわしてしまう。川柳が好きな掛け取り人は川柳でかわし、歌舞伎好きには歌舞伎で断り、三河万歳には三河万歳でというぐあいですりぬけてしまう。円生の得意芸で、それを市馬が引き継ぎ、さらに三橋美智也バージョンにして、大好評を博した。
市若の「掛け取り」、師匠にはまだまだ及ばないけど、意気込みはよい。真打になるころには、師匠お墨付きになるのを期待している。
で、競馬の結果。うまいぐあいに発走直前に落語はおわった。実況の結果は、写真のとおりである(了解を得て撮影)。ま、そんなに当たるもんじゃない。
ついでのひとこと
柳家喬太郎がダウンしたことは先だって書いた。「週刊文春」連載の「川柳のらりくらり」は一週休んだだけで復活した。よかった。来月の喬太郎と正蔵の落語会のチケットを購入済み。元気な姿を見たい。膝も治っているとよいのだが。
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