「ルート29」
風変わりな映画を観た。「ルート29」。
「こちらあみ子」の森井勇佑監督の最新作である。「あみ子」は観てはいない。評判はよい。
題名は鳥取と兵庫を結ぶ国道29号線のこと。清掃の仕事をするのり子(綾瀬はるか)は病院に入院している患者から、姫路にいる娘のハルを連れてきてほしいと頼まれる。で、車で姫路に行って、ぶじハルをみつける。帰り道の道路はだれもいない。車も通っていない。道のまんなかに車がひっくり返っている。老人を助け出す。老人は何もしゃべらない。たったひとこと「カヌーに乗りたい」と言う。カヌーにのった老人はカヌー仲間らしい連中と去っていく。へんな映画だ。雰囲気が違う。棒読みのセリフも多い。
大きな犬二匹を連れた赤い帽子の女と出会うが、この女に車を奪われてしまい、歩いていくことになる。
緑が美しい。風と鳥の鳴き声以外は聞こえない。エンジン音もしない。なんだか異境に来たような雰囲気になる。のり子は姉が勤める小学校に立ち寄るって姉の家で泊まる。姉の心境を聞く。
といったロードムービーである。見終わって不思議な気分になる。それほどいい映画ってわけではないけど、たまにはこういう映画も悪くない。
ストップモーションの中で動き回ったり、なにかの映画評に童話のような幻想的な世界とあった。まあ、そうなんだろうが、わたしの想いはそこからはずれる。
人の想いには不安つきまとう。その不安のもとはわからない。不安の先がどうなっていくのかもわからない。無意識の不安・・・。映画ではしばしば描かれる。冒頭、風変りと書いたが、中身はよくあるパターンである。
こういう映画はさほど話題にはならない。客席はがらがらだった。
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