「大誘拐」
映画祭、掉尾は、岡本喜八監督の「大誘拐」だった。
「しんゆり映画祭」は今年で30周年となるが、その第一回、つまり30年前に上映された記念すべき作品である。岡本監督らしいユーモアにあふれた誘拐劇で、当時、大ヒットした。
紀州一の大富豪の老婆(北林谷栄)が三人の若者に誘拐されるが、その身代金が少ないと、憤って100億円に引き上げ、誘拐犯をリードすることになる。誘拐劇の裏には奇想天外な思惑があった。
岡本監督らしい反戦意識、国家に裏切られたという思いが色濃く浮かびあがる映画。痛快コメディアクションとなっている。
むかし観たときは気づかなかったが、エキストラで影山民夫と山藤章二が出ている。へー。ちょっと笑ってしまった。
映画のあと、映画評論家の春日太一さんのトークがあった。春日さんの『鬼の筆』は、当ブログで採り上げたことがある。脚本家の橋本忍の評伝で、大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれている。写真は春日さん。
今回の映画祭、役所広司さんや柄本明さんのトークがあり、民謡ライブなどもあって、もりあがった。来場者には楽しんでもらえたと思う。
ところで、ボランティアスタッフに女子高生がいる。高2。私の孫と同じ年。映画の選定から宣伝企画、当日の司会・運営まできちんと誠実にこなしてくれた。今回でいちおうボランティアは卒業。受験態勢に切り替えるという。大学生なったら、またボランティアとして活躍してくれるものと期待している。
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