合理的配慮とパスワード
合理的配慮とは、事業者が障碍者へのバリアをなくすようできるだけ配慮することを指す。今年から義務化された。ことばとしてそれほど浸透していない。わかりにくい。
映画館とか劇場で車椅子席を用意するとか、手すりをつけたりすることがあげられる。たいていの映画館ではそうした配慮がなされている。
わたしは目が悪くなった。視力が落ち、視野が狭くなった。視力を失ったわけではないけれど健常ではない。多くの階段で手すりが設けられている。これはよい。ただし段差が分かりづらい。上りはよいが、下りでは段差がわかりづらい。ヘリというか角の部分に着色するなりテープが貼ったりしてあればよいのだが、そうなっていない箇所がある。つまずき、転倒するおそれがある。ほんのわずかな段差も危ない。写真の階段はわかりやすい。
カード決済でパスワードを入力する場合がある。パスワードの数字入力がしにくい機器がある。画面を暗くしているからだ、パスワードが他人に見えないようにする配慮はわかるのだが、入力する当人が見づらいのではなんにもならない。
目が悪いので画面を明るくしてくれと言うと、たいていはできないという返事である。やりかたがわからないとの返事もある。クレームをつけたいところであるが、それはやめて、画面に目を近づけて、場合によってはライトを当ててかろうじて数字を読みとって入力することになる。
相手は目が正常だから私の行動を不審に思う。見えないものは見えないと言い張りたいところだけれど、ぐっと我慢する。明るくする設定になっているだろうが、そうしない。合理的配慮に欠ける。
若いころなら、障碍者への配慮など考えもしなかったけど、自分がそうなってみると、世の中の冷たさがわかる。
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