「チネチッタで会いましょう」
チネチッタと聞けば、映画ファンは観なくっちゃとなる。ローマ郊外にある有名な撮影所である。数々の名作が生み出されてきた。
映画はこの撮影現場で始まる。著名な監督であるジョバンニのあらたな映画である。入れ込む監督の割には周りは冷ややか。主演女優が履いてきたミュールが気に入らない。この女優が演出に口をだす。プロデューサーは詐欺師だった。最高のパートナーと思っていた妻からは別れると言い出される。トラブルが続く。が、監督はめげない。
ジョバンニの独りよがりの言動が可笑しい。しかしスタッフはなんとか監督の意に沿うよう手助けをする。うまく映画を取り終えることはできるのか。
かなり荒っぽいつくりで観客を戸惑わせる。途中、スコセッシに電話をするとかのギャグが挿入される。映画愛にあふれていることはわかる。とりわけフェリーニ愛。設定にちかいのは「8 1/2」である。「甘い生活」のラストシーンも出てくる。
撮影中の映画は、ハンガリー動乱の背景を描いている。フェリーニ映画を彷彿させるパレードのカットもある。
監督はナンニ・モレッティ。「息子の部屋」が代表作だが、今回の映画は作風がかなり違う。喜劇タッチ。はちゃめちゃな部分もある。ウディ・アレンの作風に影響されたんじゃないかなとか、思ったりもする。
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