生田寄席 柳家小せん
今年初めての落語は、生田寄席。柳家小せん独演会である。
この生田寄席で小せんを聴いたのは二年半前、演目は「ガーコン」だった。よく覚えている。「ガーコン」は川柳川柳の持ちネタで、ひたすら軍歌を歌いまくるという変な噺。川柳のてっぱんのネタで、人気があった。これを小せんが引き継いだ。軍歌ではなく、戦前の昭和歌謡を歌う。歌がうまいので心地よい。最後は戦後のジャズになるのは川柳と同じパターンである。あとで、小せんさんによくやるのかと訊いてみたら、たまに気が向いたらやるとのことであった。
さて、今回の演目
柳家小じか 狸の恩返し
柳家小せん 味噌蔵
柳家小じか 犬の目
柳家小せん 河豚鍋
小じかは小せんの弟子。まだ前座だが、貫禄がある。声の響きがよい。これはいい落語家になる。そんな予感がした。
小せんは、手慣れたもの。体形は痩せているが、こちらも声がよい。歌がうまいが、きょうは歌の見せ場はなかった。いや、「味噌蔵」で「磯節」一節ほど歌った。
「河豚鍋」はこの時期の演目。河豚鍋は旨いが、当たるかもしれない。旦那と河豚鍋を囲むことになったが、毒にやられる恐れがあるので、なかなか口をつけることができない。お菰さんがやってきたので、これ幸いと河豚を与える。お菰さんの跡をつけて、食べて大丈夫だったかを確かめる、といったストーリーである。
食べるのではなく、いかに食べないかのやりとりが笑える。小せんらしさがよく出た噺だった。
家に帰って夕食のメニューは、河豚ではなく、鮟鱇鍋だった。鮟鱇もわるくない。
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