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2025年1月16日 (木)

 生田寄席 柳家小せん

 今年初めての落語は、生田寄席柳家小せん独演会である。

 この生田寄席で小せんを聴いたのは二年半前、演目は「ガーコン」だった。よく覚えている。「ガーコン」は川柳川柳の持ちネタで、ひたすら軍歌を歌いまくるという変な噺。川柳のてっぱんのネタで、人気があった。これを小せんが引き継いだ。軍歌ではなく、戦前の昭和歌謡を歌う。歌がうまいので心地よい。最後は戦後のジャズになるのは川柳と同じパターンである。あとで、小せんさんによくやるのかと訊いてみたら、たまに気が向いたらやるとのことであった。

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 さて、今回の演目

 柳家小じか  狸の恩返し

 柳家小せん  味噌蔵

 柳家小じか  犬の目

 柳家小せん  河豚鍋

 小じかは小せんの弟子。まだ前座だが、貫禄がある。声の響きがよい。これはいい落語家になる。そんな予感がした。

 小せんは、手慣れたもの。体形は痩せているが、こちらも声がよい。歌がうまいが、きょうは歌の見せ場はなかった。いや、「味噌蔵」で「磯節」一節ほど歌った。

「河豚鍋」はこの時期の演目。河豚鍋は旨いが、当たるかもしれない。旦那と河豚鍋を囲むことになったが、毒にやられる恐れがあるので、なかなか口をつけることができない。お菰さんがやってきたので、これ幸いと河豚を与える。お菰さんの跡をつけて、食べて大丈夫だったかを確かめる、といったストーリーである。

 食べるのではなく、いかに食べないかのやりとりが笑える。小せんらしさがよく出た噺だった。

 家に帰って夕食のメニューは、河豚ではなく、鮟鱇鍋だった。鮟鱇もわるくない。

 

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