「室町無頼」
応仁の乱の5年ほど前の一揆を描いている。応仁の乱はよくわからない史実で、だらだら十年以上続いた。それ以前から飢饉や疫病で京都の町は荒れており、幕府はタガが外れていた。
大泉洋が演ずるのは兵衛という牢人(浪人)。苦しい庶民は金を借りて暮らしているが、金貸しの取り立ては厳しい。さらに苦境に追いやられている。兵衛は無頼漢ではあるけれど、なにかと庶民の面倒を見ており、評判が良い。さらに、かえると呼ばれる少年・才蔵に武術の修行をさせる。
兵衛と対立するのは、京都の治安を任されている道賢(堤真一)。前半は、この対立と才蔵の修行の様子を描いている。
後半は一揆のシーン。これが迫力がある。民衆が松明をかざし、徳政(借金棒引き)を求めて京の町におしかける。「一期は夢よ ただ狂え 天下を燃やせ」とアナーキーな叫び声をあげて踊る。のちの、ええじゃないかを彷彿させる。
活劇部分は、サム・ペキンパーの西部劇を思わせる。さらにマカロニウエスタンのようでもある。エンリコ・モリコーネの音楽が響いてくるような雰囲気。ちょっとワクワクする。
ということで、終盤の一揆のシーンが面白い。大画面じゃないと味わえない。スカッとする娯楽映画である。
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