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2025年2月 3日 (月)

「リアル・ペイン」

 6年前、ポーランドに行った。ワルシャワと南部のクラフクを巡る一週間ほどのツアー。アウシュビッツは心に重かった。が、総じて楽しい旅行だった。

リアル・ペイン~心の旅~」をイオンシネマで観てきた。ポーランド旅行の話である。アメリカに住むデビットとベンジーはいとこ同士。30代。亡くなった祖母のふるさとを訪ねる目的でポーランドツアーに参加する。

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 デビットは妻と子と幸せな家庭を築いている。まじめな若者だ。一方、ベンジーは独身。陽気で自由奔放な生き方をしている。デビットはベンジーに振り回されることはあるが、仲はよい。上映5分ぐらいで二人の性格はわかる。

 ワルシャワでツアーメンバーと合流する。ガイドはイギリス人。老夫婦、未亡人、そしてルワンダの青年。ルワンダの大虐殺事件を体験し、のちにユダヤ教に入信した。

 列車で南に向かう。ベンジーは一等車に乗ることが気に入らない。強制収容所にいくのに豪華な列車に乗るのは抵抗がある言い、別車両に移ってしまう。デビットは仕方なしにベンシーにつきあう。ところが寝過ごしてしまう。あわてて降りて、反対車線の列車でもどる。なんとか無事ツアーメンバーと巡り会うことができた。

デビットはガイドに文句を言うシーンがある。史跡もいいが、そこに住む人たちの声が聞こえないとかクレームをつける。ガイドは困惑する。

 強制収容所跡地はアウシュビッツではない。別の場所。ここで亡くなったユダヤ人たちに思いを馳せる。ことば少なになる。気分は重い。リアル・ペイン、心に刺さる。

 その後、メンバーと別れ、祖母が住んでいた住居に向かう。

 車窓には広大な麦畑が広がる。この畑は国の東側にあるウクライナにつながっている。ウクライナでも同じような光景だろうと想像できる。しかしロシアの話題は出てこなかった。

 流れるのはショパンのピアノ曲。しょっちゅう聴こえる。日本人の耳に馴染んだ曲が多い。ショパンといえばポーランド、ポーランドといえばショパン、である。

 監督・脚本はデビットを演じたジェシー・アイゼンバーク。ベンジーを演じたキーラン・カルキンの情緒不安定な演技が印象的。「ホーム・アローン」の主役の坊や、マーコレー・カルキンの弟だそうだ。

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