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2025年2月17日 (月)

筑摩書房と私

  若いころから筑摩書房の本や雑誌を好んで読んできた。学生時代は「展望」と「言語生活」。「展望」は毎月購読していたわけではないが、岩波の「世界」などより好みだった。臼井吉見の「安曇野」が連載中だった。「言語生活」は専門とは関係なかったが、趣味として読んでいた。連載の「ことばのくずかご」のファンだった。のちに三省堂国語辞典の編者である見坊豪紀と知り合うきっかけとなった。

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 社会人となってからは、松田道雄が編纂した『私のアンソロジー』が愛読書となった。松田道雄といっても知らない人が多くなっている。小児科医で育児の権威だった。著作の『私は二歳』は大ベストセラーとなった。

『私のアンソロジー』は箱入り。といっても豪華本ではない。全7冊。いくつかのテーマで括られ、松田道雄の幅広い読書ぶりに驚くとともに、深い教養に感服した。読んだ後も、折を見てパラパラ開いていた。私の思考の基礎をかためるのに格好の書物だった。50年以上も前のことだ。

 こういう本を出す筑摩書房には格段の敬意を払っていた。

その後も、筑摩はアンソロジーでヒットシリーズを出すことになり、「アンソロジーのちくま」と呼ばれるようになる。

  ところが、後年、筑摩は倒産してしまう。いい本を出すことと経営はなかなか両立しないということか。「言語生活」は休刊となる。「ことばのくずかご」は新生の筑摩のPR誌に引き継がれることになった。そのあたりの経緯は記憶もぼやけている。

 と、筑摩のことを書き始めたのは、長く筑摩に勤めた松田哲夫の『編集を愛して』を読んだからである。

 目が疲れた。松田哲夫の本については次回に回す。

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