生田寄席 橘家文蔵
生田寄席に行ってきた。今回は橘家文蔵。先だって亡くなった桂才賀と並ぶ強面。顔つきは怖そうだが、落語は繊細。細部まできちんと演じる。とりわけ、色っぽい女の描写が上手い。強面と正反対の演出が笑いを誘う。
得意ネタは「道潅」と「転宅」。なんども聴いたことがある。
今回の演目
飴売り卯助
転宅
「飴売り卯助」は初めて聴いた。長講である。
飴売りの卯助と娘は料理屋に雇われることになる。まじめに仕事をし、女主人からも信頼されるようになる。ある夜、店に強盗が入ったことを知らされる。禁制のばくちをやっている最中だったからお上に届けることができない。娘も捕らわれているという。卯助は店に駆けつけ、盗人連中と対峙することになる。卯助の左腕には墨が入っており、島帰りであることが明かされる。
なんだか長谷川伸の小説のような内容だが、あとでネタが明かされた。先代の文蔵が作った噺で、松本清張の『無宿人別帳』の中の「左の腕」を落語にしたものだそうで、清張は落語にすることを快諾した。そのテープが残っていた。それをもとに師匠譲りのネタとした。『無宿人別帳』なら読んだことがある。でも、すっかり忘れてしまっていた。
たぶん50分ぐらいやった。長講なので、独演会でしかできないネタである。笑いはほとんどないが、客席からすばらしいとの声があがった。たしかに名演であった。
中入り後の「転宅」はおなじみの噺。先述したように得意ネタである。酒を飲むシーンはいつもよりたっぷりやった。お妾さんも、いつも以上に色っぽかった。けっこうでした。
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