「ステラ」
アートセンターで「ステラ」を観てきた。副題は「ヒットラーにユダヤ人同胞を売った女」とある。わかりやすい副題だといえるが、映画の流れをそこに押し込めていいのだろうかと思う。単純ではない。
ナチスドイツに協力したという理由で、丸刈りにされ街中を引きずり回される女性の写真がある。有名な写真だからご存じの方も多いと思う。確かに協力したのだろうが、集団リンチは頷けない。映画を観る前、そんなイメージが浮かんだ。
戦前、ステラ(パウラ・ベーア)はジャズを歌い(冒頭に「シング・シング・シング」を歌うシーンがある)、ブロードウェイを夢見ていた。その夢は大戦によって閉ざされる。ユダヤ人の国外脱出は困難になる。軍需工場で働かされることになるが、ユダヤ人の強制的な収容所送りを目の当たりにする。ユダヤ人狩りをかろうじて逃れ、母親とともに身を隠して暮らすことになる。
偽造した身分証明書やパスポートを作る組織を知り、協力するのだが、ゲショタポに逮捕されてしまう。拷問は過酷で、ひどく傷つく。ついにはゲシュタポのユダヤ人狩りに協力することになってしまう。
ここまでが副題のとおりのストーリーである。これ以降が面白い。面白いというのは変で、さらに奇妙な人生となる。戦後、ステラはソ連に送られ、10年間の収容所で暮らすことになる。その後ドイツに帰国し、戦犯として裁判にかけられることになる。
もうすこし書きたいのだが、やめておく。ステラは長く生きたのだが、幸せではなかった。心に重くのしかかるものがあった。孤独でもあった。
それにしても、ナチスとかユダヤ人を描いた映画は多い。それだけ重大な出来事だったということだが、素材としても取り上げやすいということもある。
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