八起寄席 萬橘の芸
八起寄席に行ってきた。今回のお目当ては、文菊と萬橘。文菊はこの寄席の幹事だからおなじみ。萬橘はこの会では初めて聴く。なんでも13年ぶりとか。ずっと呼んでもらえなかったと愚痴を言う。
今回の演者と演目
笑福亭希光 紀州
古今亭文菊 長屋の花見
ウクレレえいじ ウクレレ漫談
三遊亭萬橘 親子酒
萬橘のことを書く。
萬橘は高座以外でも着物姿である。胸がはだけてだらしないと悪口を言ったのは、遊雀。これについては以前書いた。浅草を歩いていたら、中国人に間違えられたとマクラ。あの界隈は貸衣装で歩く外国人が多いからね。娘からは無視されることが多くなったと嘆く。これは一之輔と同じ。
演目は「親子酒」。おなじみの古典噺だが、展開を変えている。親子で禁酒の約束をしたのだが、息子が帰ってこないのをさいわいに、父親は上さんにちょっとだけと酒をねだる。一杯だけのはずが、もう一杯となり、ついには酔っぱらってしまう。そこに息子が帰ってくる。こちらも酔っぱらっているというのが本来のストーリー。
萬橘バージョンは、息子の方が得意先の主人に酒を勧められる話になる。親との約束だから酒は飲めないと断る。さんざん勧められるのでちょっとだけとなるが、ちょっとだけではすまない。へべれけになってしまう。このまま家に帰るわけで、ああ、これはおなじみの「親子酒」だとわかる。オチは同じ。「おまえに身上はやらない」と父親が言うと、「こんなクルクル回る家なんか要らない」となる。
繰り返すと、おなじストーリーなのに主役を変えている。本来は父親にスポットをあてるが、萬橘バージョンでは息子にスポットをあてる。
テッパンの古典噺なのだが、そこに工夫を凝らすところが、萬橘の芸である。なるほどと、感心する。けっこうでした。
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