「少年と犬」
馳星周原作の「少年と犬」を観てきた。監督は瀬々敬久。瀬々はきちんと映画を撮る監督である。
先に観た知人が、泣いた、原作も泣けたけど映画も泣いたと語っていた。へー、そうなのかと、念のためハンカチ二枚もって出かけた。原作は読んでない。
震災後の名取。窃盗犯の手伝いをしている和正(高橋文哉)は飼い主をなくしたと思われる犬をみつける。家に連れて帰ると、認知症気味の祖母は犬を見て元気になる。家族の一員となる。犬の識別プレートには多門とあった。多門はいつも西の方を見つめていた。
和正はトラブルにまきこまれる。多門は姿を消す。それから数年後、多門は滋賀にいた。SNSを検索して行方を突き止めた正和は滋賀に向かう。若い女性(西野七瀬)に飼われていた。彼女は窮地に陥っていた。ギャンブル依存症のボーイフレンドから金をせびられ、その金を稼ぐためデリヘリで働いていた。金をせびる男をついには刺し殺してしまい、山に埋めていた。それが発覚する。そのトラブルの最中、またも多門は行方不明になる。
犬との交流はしばしばヒューマンドラマになる。これもそうだが、ちょっと設定に無理がある。多門は熊本にむかう。犬は帰巣本能はあるけれど、なにか目的をもって未知の場所に移動することはない。なぜ熊本に行ったのが明らかにされるのだが、そりゃ、無理やろう。
そんなことを考えていたので、感情移入できなかった。ハンカチ不要。ウルウルすることもなかった。説得力のある説明があれば、熊本での出来事も理解できるのだが・・・・。
もうひとつ、ラストの5分ぐらいは要らない。カットした方がよい。余韻を残すような終わり方がよい。監督の前作「ラーゲリより愛を込めて」もラストは蛇足だった。
ラストは観客に想像させる方がよい。
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