「ノー・アザー・ランド」
以前、映画「栄光への脱出」についてふれたことがある。イスラエル建国にあわせて集団移住をする物語である。エクソダス(出エジプト記)になぞらえていた。
ユダヤ人はナチスによる虐待だけでなくひろく差別されてきた。ユダヤ人の国をつくろうというシオニズム運動はたかまり、イスラエルが建国された。世界各国がそれを承認した。わたしも歓迎した。が、その地にはアラブ人が長く住んでいたわけで、それを蹴散らすことになった。それにより、中東戦争が起きた。軍事力にまさるイスラエの力はさらに強固になった。それでもいざこざは続き、オスロ宣言により、パレスチナ自治政府が発足した。あれこれあったが、パレスチナの領土はガザ地区とヨルダン川西岸と決められた。
しかし、イスラエルは領土を拡大すべく西岸地区に侵入している。映画「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」はその西岸地区を描いたものだ。米アカデミー賞ドキュメンタリー作品賞を獲得した。そのせいか、アートセンターの観客は多かった。
西岸地区にはイスラエル軍が侵入してパレスチナ人の家や学校を破壊し、入植地や軍事施設を拡大している。イスラエル人のジャーナリスト・ユーバールは、その破壊の実態を記録すべくこの地にやってきた。この地に住むバゼルなどと協力して軍の理不尽な破壊ぶりをビデオで撮影する。取り壊す兵士たちに声を上げ抗議する。が、兵士は破壊をやめない。住民を蹴散らす。撮影は命がけである。転倒し、映像が乱れる。抵抗するが、それ以上抗議すれば撃たれる恐れがある。結局はなすがままとなる。
ユーバールの気持ちを一言であらわせば「パレスチナの自由なくしてイスラエルの自由はない」。
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