めいわくかけてありがとう
上野に出かけた。満開は過ぎ、散り桜か葉桜と思っていたが、そこそこ咲いている。人出は多い。他に行くところはないのかと思うほど多い。
目的はサクラではない。花より団子。団子より酒。友人からの誘いである。車谷長吉の『癲狂院日乗』に登場する居酒屋。名は伏す。車谷は常連だった。友人もしばしば訪れていたとのこと。そこに行こうとの誘いだった。上野の隣、入谷にある。
入谷と言えば前から訪ねてみたい寺がある。鬼子母神ではなく、法昌寺。ここにはたこ八郎の墓がある。
たこ八郎と言っても知っているのは年配者になる。元ボクシング選手のコメディアン。奇怪な役が多かった。パンチドランカーで、酒浸りだった。海水浴で溺れて死んだ。1985年、40年前のことである。そうか、そんな昔だったのか。知らない人が多いはずだ。
で、法昌寺。お墓があるが、たこ地蔵もある。由利徹や赤塚不二夫らの呼びかけで地蔵様がつくられた。写真がそれ。見にくいが耳の一部が欠けている。生前、かじり取られていた。リアルに再現してある。前面には「めいわくかけてありがとう」の刻印。たこの座右の銘だったとか。
そのあと、居酒屋に駆け込んだ。
ついでのひとこと
たこ八郎の演技で印象に残っているシーンがある。自転車をこいでいて、思い切りぶっ倒れる。ただそれだけ。転倒ぶりがみごとだった。そんなに真剣に倒れなくてもいいのに・・・。みな、笑った。
バカな、愛すべきコメディアンだった。
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