うさぎはキリギリス
地下鉄の座席に座っていたら隣の女性から声を掛けられた。
「同じ雑誌ですね」
新潮社の「波」を読んでいた。隣の女性(私と同じぐらいの年齢)は「薄くてお出かけの際にはちょうどいいですね」と続けた。
たしかに同じ「波」。「はちゃめちゃなエッセイが愉快で・・・」と答えると、すかさず「中村うさぎですね」との返事。「はい、キリギリスです」
「波」を読んでいる人なら、この会話、おわかりだろう。
連載中の中村うさぎのエッセイ。タイトルは「老後破産の女王」。かつてのショッピングの女王は、ハチャメチャなバブル人生を送った。整形手術もハンパではなかった。そのあげくの大病。死にかけた。今は車いす生活を送っている。
悔悛して清貧な暮らしを送っているかというと、そうはならない。健全な老後など、くそくらえと言わんばかりの意識と行動。キリギリスはどこまでもキリギリス。そういう日常を描いている。ひとごとだから、笑える。父親も登場する。ボケてる? 来月号が楽しみである。
思い出したのが映画「サブスタンス」。若さを取り戻すことに執着する女性を描いている。度肝を抜くストーリーで、こっちも笑える。
ついでのひとこと
きのうのNHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で小川さやかの『チョンキンマンションのボスは知っている』を紹介していた。この本、当ブログでも触れたことがある。香港にいるタンザニア人のネットワークを描いたノンフィクションである。
異国で生き延びていくため相互扶助のつながりを築いている。悲嘆せず明るく生きているタンザニア人の姿がすばらしい。優れた著作である。一読をお薦めする。
ネットラジオ「らじるらじる」で一週間この番組を聴くことができる。まずは、こちらを。


















