「SING SING シンシン」
ニューヨークにあるシンシン刑務所を舞台にした映画である。刑務所ものといえば、「ショーシャンクの空に」などを思い浮かべる。厳格な看守、受刑者による暴力、そして脱獄など、刑務所ものでは定番のストーリーなのだが、この「シンシン」にはそうした場面はない。
更生的要素が強い。この刑務所がそれを目的としているかどうかは知らない。車座になって話し合うシーンは精神医療のワークショップを思い浮かべる。
演劇プログラムのチームが結成される。リーダー的存在のディヴァインG(コールマン・ドミンゴ)は冤罪で収監されている。彼がリードして取り組むのはシェークスピアの「ハムレット」である。セリフの読み合わせとか練習風景が映し出される。メンバー間のやりとりは早口で、こちらはついていけない。ま、ついていけなくても雰囲気はわかる。受刑者は演劇など素人だから、セリフはうまく言えない。それが少しずつ様になっていく。で、実際の公演となるのだが、そのシーンは描かれない。肝心と思われるシーンはカットされている。仮保釈を決める受刑者との面談もさらっと映し出されるだけである。
つまり普通の刑務所映画とは違っている。あえてテーマをあげれば、更生とか精神の恢復である。
ちょっと思い出したのが、何度も刑務所に入っていた男性の話。淋しくて、いちばん孤独を感じたのは、満期となり刑務所を出る際、誰も迎えに来てくれなかったときだった。印象に残っている。そうなんだろうな。
「シンシン」にも刑務所から出所するシーンがある。迎えがあったかどうか。それは映画を観て確かめていただきたい。
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