『昭和的』
昭和がブームということだ。懐かしさをともなって昭和歌謡が歌われる。
が、違和感がある。昭和歌謡といえば、若い人が好きだと言うのは、松田聖子とかキャンデーズ、70年代以降の楽曲である。昭和は1926年に始まる。戦前、戦後復興期もあって、70年代は後半になる。1989年まで続いた。和暦なら昭和64年。神武以来最長の和暦だから、60数余年をひとくくりにするには無理がある。
関川夏央の『昭和的』を読んだ。居心地がよいというか、ソフトフォーカスのポートレートを眺めるような気分になる。著者は私より二つ下。イラストの南伸坊は同い歳。時代をを共有してきた。団塊の世代だ。
タイトルの「昭和的」はぼんやりしている。内容は、昭和の人物評を並べた軽いエッセイである。とりあげられるのは山田風太郎とか畑中純(漫画家)とか渥美清とか無着成恭とか、エトセトラ。
プロ野球選手では、長嶋、王ではなく、村田兆治、門田博光。名選手だがメジャーではない。二人とも孤独死(村田は火災死)だった。村田兆治は引退後もすごかった。まさかりを振り下ろすような練習を欠かさなかった。50過ぎてもスピードボールを投げた。
渥美清を描いた文章がいい。渥美寅さんの俳句がすばらしい。俳号は、風天。
たいていのことは知っている。だから本書を読むと、懐かしさが広がる。同時代の共感がある。
ついでのひとこと
しばらくカラオケには行っていないけど、歌うのは昭和歌謡。持ち歌は、星屑の町とか怪傑ハリマオ。三橋美智也だ。街のサンドイッチマン、骨まで愛して なども。いかにも昭和だ。
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