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2025年10月21日 (火)

「おーい、応為」

 葛飾北斎を描いた映画いくつもある。「HOKUSAI」。晩年の北斎を演じたのは田中泯だった。本年度の文化功労者である。新藤兼人監督の「北斎漫画」では緒方拳が演じた。娘のお栄役は田中裕子だった。お栄を主人公にしたアニメ映画もあった。タイトルはちょっと忘れた。

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おーい、応為」を観てきた。北斎は永瀬正敏、娘お栄(応為)は長澤まさみが演じている。監督は大森立嗣。じっくり腰を据えて撮った映画が多い。「おーい、応為」もおそらく淡々とした内容になっているのではないかと想像する。

 お栄は夫のもとを飛び出し、北斎のもとに帰る。出戻りである。勝ち気な撥ね返り娘。北斎は筆を執ったり、何かを食べていたりする。食事のシーンが多い。そして引っ越しをする。そういう日常が描かれる。お栄はつっぱりながらも、父に寄り添い、母や妹にも気を配る。これといった事件は起きない。淡々とした暮らしが繰り返される。このあたりは大森流である。

 映像が美しい。それ以上に音楽がいい。大友良英である。トランペットが妙に映画に馴染んでいる。さすが大友良英だと感心する。

 絵については、一つ二つだけ書きとどめておく。応為の吉原、ちょんちょん格子の明かりと影を描いた絵を映し出している。この絵は傑作である。北斎の、富士の向こうに龍が昇っていく絵が最後に登場する。これもすばらしい。

 最後に、ひとこと付け加える。長澤まさみのしなやかな姿が美しい。

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