「見はらし世代」
映画は、家族の絆を描く。家族の崩壊を描く。そして、家族の再集結を描く。
しっかりした絆もある。ほころびていくこともある。息苦しいこともある。さまざまである。理想の家族などない、あるとしたら・・・それは幻想かも知れない。
家族を描くことは、けっこう難しい。ハリウッドの本流は、絆、あるいは断ち切られた絆を懸命につなげようとしている。そうでなく、家族などどうでもよいといった支流もある。
「見はらし世代」をアートセンターで観てきた。監督は団塚唯我。若手の演出家として注目されている。
蓮は渋谷の花屋で働いている。胡蝶蘭を配達する折、疎遠となっていた父親を見かける。それを姉に伝えるが、さして関心を示さない。もう無縁と思っているようだ。
父親はランドスケープデザイナー(施設と公園の設計者)として活躍している。蓮の母親、つまり父の妻の二回忌を機に、父は海外に行ってしまう。二人のきょうだいをほっぽり出して。6年ほどして帰国したが、きょうだいにそれを伝えることはなかった。
宮下公園の再開発が背景に描かれている。しかしそれはひとつの都会の風景でしかない。
親子がどう断ち切られた絆を撚り戻そうとするかを描いているように見えるが、そうでないかもしれない。それぞれの思いが違う。そのあたりはよくわからない。明確にしていない。たんたんと再開発される建物を描いている。騒音、車のエンジン音。ドアの閉館恩。足音。電話の呼び出し音・・・。
タイトルの「見はらし世代」というのがわからない。高層ビルからの眺めか、陸橋の風景か。世代って、どの世代のこと? 蓮の世代? まさか父親ってことはなかろう。
再開発された宮下公園のビルにはずっと行っていない。今どうなっているか、一度行ってみるか。
開発される前、ここで年末に炊き出しがあった。ホームレスがたくさん集まっていた。あのホームレスは? 映画では公園から追い出されるホームレスを描いている。
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