「旅と日々」
学生のころ読んでいた漫画雑誌は「ガロ」と「COM」。60年ほど前のことだ。「ガロ」は白土三平、つげ義春、「COM」は手塚治虫、石森章太郎、永島慎二などが印象に残っている。このあたりのことを書き出すと長くなるのでやめておく。ま、そういう漫画を読んできたということだ。
つげ義春は、時代遅れというか世相と離れた独特の世界を描き、人気があった。その人気は長く続き、いまも話題になることがある。映画化もされている。映画になるようなストーリー展開があるわけではないが、なぜか映画になっている。それだけ不思議な、ひとを引き付ける魅力があるということだろう。
つげ義春の二つの漫画を原作とした「旅と日々」をアートセンターで観てきた。監督は三宅唱。前作は「夜明けのすべて」だった。わたしの好きな映画で、その前の「ケイコ 目をすませて」も優れた作品だった。ということで、「旅と日々」は見逃すわけにはいかない。
ふたつの漫画だが、並列したとか、ミックスしたものではない。前半は「海辺の叙景」。旅先で知り合った二人の男女。ぼんやり話し合ったり、泳いだりする。それだけ。時間の流れは緩い。客席からいびきが聞こえた。ゆったりしているから眠くなるのは、わからないでもない。
この短編映画が、たぶん大学の授業の一環として上映される。監督と脚本家が質問に答えるという設定になっている。後半は、脚本を書いた李(シム・ウギョン)の話となる。ここから「ほんやら洞のべんさん」が原作となる。これは読んでいるはずだが、あまり記憶はない。
韓国人で女性の脚本家は旅に出る。旅先、たぶん奥只見のようなところの旅館は満室で泊まれない。さらに山奥の民宿のような旅館に泊まることになる。主がひとりいるだけ。客もひとり。そこで脚本を書こうとするのだが、筆は進まない。外は雪景色。浮世離れした世界で、主は夜、出かけていく。
いずれの原作も、旅先での話である。条理では理解できない現象をみたり、日常では見かけない、不思議な人と出会ったりする。こういう映画はコメントしずらい。
民家園で、五箇山の民家の囲炉裏の炎をみた。あの囲炉裏ばたと似ている。
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