「女性の休日」
ある女性に「御主人はいかがされてますか」と問うと、「あれは主人ではありません。パートナーです」ときっぱり返された。しばし絶句。「パートナーですか、たいへん失礼しました」とかろうじて答えた。そうか、そうなのかと、男女平等なのだと、わずかばかり納得した。
アートセンターで「女性の休日」を観てきた。アイスランドはジェンダー平等先進国である。それがどのように実現されたかを描いたドキュメンタリーである。
客席は8割が埋まった。ほとんど女性。男性は10人もいない。ま、そうだろうと納得する。
1975年にさかのぼる。アイスランドはその他のヨーロッパの国と同様に男女差別の国だった。家事は女の仕事とされ、仕事の現場でも差別され、低賃金だった。
この現状を打破しようと女性たちは異議をとなえるようになった。強硬派はストライキを主張したが、多くはそれに反対した。ストライキでは人は集まらない。多くの人が参加できるよう休むこと、休日をとることを選択した。集会に参加するか、話し合いの場をもつとか、ゆるやかな運動にした。
10月24日が実行日となった。夫は戸惑いつつもパートナーの休日を受け入れた。皿洗いをするとか子供の世話をするとか、あるいは仕事の現場に赤ん坊を連れて行くとか。90パーセントの女性が運動に参加した。工場や公共機関の機能はストップした。
この日をきっかけに、女性の地位向上とか新たな働き方の取り組みが始まった。映画は、その後の改革を紹介している。それほどうまくいったのかと疑問もわくのだが、結果として男女平等は進んだ。
この映画からアリストパネスの「女の平和」を連想した。女性のセックスストライキというかサボタージュが、夫たちの、アテナイとスパルタの戦いを収めたというギリシャ喜劇である。映画評をいくつか目にしたが、「女の平和」に言及するものはなかった。
ふーん、この国の文化度は低い。だから、と言いたいこともあるが止めておく。
« ダイキチー KOMEHYO | トップページ | 「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」 »
「映画」カテゴリの記事
- 「ヤンヤン 夏の想い出」(2026.02.12)
- 「クスノキの番人」(2026.02.06)
- 「ただやるべきことを」(2026.02.02)
- 「おくびょう鳥が歌うほうへ」(2026.01.29)
- 「モンテ・クリスト伯」(2026.01.23)



コメント