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2025年12月 4日 (木)

かみわざ

 寄席の色物に紙切りがある。人間ざわとはとても思えないほどうまい。たいしてうまくない切り手もいるけれど、林家正楽は別格だった。惜しいことに昨年亡くなってしまった。至宝だった。今年、林家二楽が亡くなった。正楽に劣らずうまくなっていた。二楽は先代正楽の息子である。早晩、正楽を継ぐものと思っていたのに・・・。紙切り界はナンバーワン、ナンバーツーを失ったわけだ。

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 演芸評論家の吉川潮が雑誌「波」に追悼文を書いている。

 どうやって紙切りの修業をするか。まず、師匠(先代正楽)がお手本の馬を切る。それをまねて切る。何十枚も切る。ようやくお手本に近いものが切れると、こんどは走っている馬を切る。さまざまな馬の形を切ると、次は牛になる。続いて十二支、ライオン、象などになる。動物が終わると、ようやく人物になる、といった調子。

  ふーん、そうなのか。習って、習って、習って。そうやって、腕を磨いてきた。並みの修業でない。ハサミセンスもいるだろうが、お客さんからのリクエストを聞いて、さらっと藤娘だの相合傘が切れるようになるまでにはさらに時間がかかる。職人技、神技である。

 二人は抜きんでていた。紙切りをやる芸人はそこそこいるけれど、正楽、二楽のレベルには達していない。あと何年か、待つしかない。

 それまでは、AIロボットがチャカチャカチャカと切るなんてことがあるかもしれない。

 

 

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