「おくびょう鳥が歌うほうへ」
寒い日が続いている。アメリカも大寒波だという。
地球温暖化などどこかへ行ってしまったようだ。その分、反動で、今年の夏は猛暑、酷暑になるんじゃないかとの予感がする。
アートセンターで「おくびょう鳥の歌うほうへ」を観てきた。主演はシアーシャ・ローナン。「レディ・バード」や「わたしの若草物語」の演技が印象に残っている。
ロンドンの大学院で生物学を学ぶロナは学業にも人間関係にもあれこれ悩んでいた。それを紛らわすため酒におぼれた。アルコール依存症。酒を断ち切ろうと治療もうけるが、うまくいかない。また酒を手にしてしまう。
ロナは久しぶりに故郷のスコットランドの島に帰ってくる。そこでは父と母が暮らしているが、父は双極性障害を病んでおり、母は信仰に意識を向けていた。ロナにとって島は安らぎの場であるはずだったが、よみがえる過去に悩まされることになる。酒でのしくじり、恋人とのわかれ、父親の乱行などなど。
風の音、波の響き、そしてカモメの鳴き声が聞こえてくる。この映画のテーマは自然のサウンドである。波の響きがたえず足元から伝わってくる。「アラン島」という映画を思い浮べた。アイルランドの島を描いたドキュメンタリー。波がうなる響きが主役のような映画だった。
ストーリーはあってなきようなもの。ロナのこころに過去が蘇る。ロナはどのように再生していくのか。
タイトルの「おくびょう鳥」はロナが生態を調査するウズラクイナのことである。臆病でほとんど姿を見せることはない。たまに鳴き声を聞くことがある程度。
ラストで、この鳴き声がかすかに聞こえる。お聞き逃しなきよう。
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