『普天を我が手に 第二部』
第二部は、昭和生まれの4人が主人公となる。まだ十代である。
日米が戦争状態になると、アメリカにいた竹田志郎は収容所に入れられる。捕虜交換船で帰国の予定だったがスパイ容疑で再び収容所に戻されてしまう。
矢野四郎には任侠の血筋が流れている。素行は悪く、少年院に入れられる。そこを脱出して銅山ではたらくが、そこも脱走する。
森村ノラは母親が収監されているのでひとり暮らし。闇米を買いに出かけたりしている。そんな中、喫茶店を任される。闇のコーヒー豆を手に入れ、店は繁盛する。
五十嵐満は満州にいる。中学生だが映画俳優としても活躍する。新国家建設を目指す秘密組織に加わる。
いずれも現状や軍部には怒りを抱いている。世相に迎合することはできないから、憲兵に目をつけられることになる。
こう書くとすらすら読んだように思われるかもしれないが、なかなかそうはいかない。読むスピードはおそい。目が疲れるから長時間の読書はムリ。読み終えるまでに、ひと月ほど、けっこう時間がかかった。
四人は見知らぬ存在だったが、次第に接点ができていく。交流にまでは至らない。顔見知りになる程度である。
第二部は昭和23年まで、つまり戦後3年ほどまでが描かれる。
志郎はGHQの通訳として働く一方、東大法学部に通う。
四郎は予科練生となり、特攻を志願するが、出撃直前で終戦となる。東京にもどり、矢野組を結成し、地回りの闇世界で頭角を現していく。
ノラは教会で孤児院を運営するかたわら、GHQ民生局の秘書となる。
満はソ連軍や八路軍に捕獲されるが、そこを脱出。香港経由で日本の土を踏む。得意のタップダンスの技で米軍キャンプにも潜り込む。そして芸能事務所を立ち上げる。
彼らの心情や行動は都合の良いように感じる部分もあるけれど、死なせては物語がなりたたない。逃げ回り、窮地を脱する展開は面白い。続きを早く読みたくなる。奥田英朗の筆さばきのうまさを感じる。
ということで、二巻、読了。この間、読んでない雑誌もたまっている。しばらくはそっち。
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