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2026年2月 2日 (月)

「ただやるべきことを」

 韓国の造船業は、コンテナ船やLNG運搬船が好調で、活気を呈している。中国に続いて世界第二位の売上高。日本より上である。

 10年ほど前は、逆に造船不況でリストラや事業撤退の嵐が吹き荒れていた。「ただやるべきことを」は、そのころの造船会社を舞台にした韓国映画である。

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 ジョニ(チャン・ソンボム)は造船会社の若手社員である。人事チームに移動し、命ぜられたのはリストラ名簿の作成である。人事考課や年次などをエクセルに入れて、論理が通るような人選をする。恣意はない。それを組合側に提示するのだが、思うようにはいかない。あれこれ横やりが入る。上層部の役員からは、この人物は残すべきだなどといった意見も出てくる。それではロジックは崩れてしまう。悩ましい。深夜までの仕事が続く。一方、プライベートでは恋人がいる。ジョニには理解がある。彼女は妊娠する。それを機にまずは同居することになる。

 こう書くと、労使交渉は荒れると想像するのだが、思いがけずそういうシーンは少ない。リストラは仕方がないが、組合の連中は自分がその対象にならないようにと願うばかりである。ジョニなりに意見はあるとしても、それを抑え、上司にも同僚にも落ち着いて応対する。

 映画全体が静かである。現場は操業しておらず騒音も聞こえてこない。ジョニはもの静かで、声を荒らげるようなこともない。

 韓国映画といえば感情をむき出しにして怒鳴りあうのが定番だけど、この映画「ただやるべきこと」はそれがない。こういう韓国映画は珍しい。

 

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