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2026年3月 4日 (水)

「木挽町の仇討ち」

 ここ数年で読んだ直木賞受賞小説では『木挽町の仇討ち』が群を抜いて面白かった。

 冒頭の章がいい。木戸芸者の啖呵のキレが心地よい。ここだけでも傑出している。それが映画化された。さっそく観てきた。

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 冒頭は木挽町の森田座。仮名手本忠臣蔵の十一段目(討ち入りの場)がはねて客が出ていくと、前の広場で、赤い打掛けを脱ぎ捨てた白装束の侍が、親の仇と、仇討ちを朗々と宣する。原作とは違うプロローグである。それはさておいて、みごと仇の首を討ち取る。

 それから一年半後、美濃遠山藩の加瀬総一郎(柄本佑)が森田座に現れ、伊納菊之助(長尾謙杜)の仇討ちの顛末を教えてほしいと聞きまわる。

 仇討ちに至る経過が、少しずつ解き明かされていく。敵役となる作兵衛(北村一輝)はなぜ菊之助の父親を斬って逃亡したのかなど経過を説明するのは面倒である。簡単に言うと、仇討ちは芝居仕立てだった。念には念を入れた演出により冒頭の仇討ちの場面となる。

 脇役人がよい。渡辺謙、高橋和也、滝藤賢一・・・。とりわけ仇役の北村一輝の演技が光る。ということで、原作をうまく脚色した監督の源孝志の技量を褒めたい。

 

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