5月21日、晴れるといいな
数日前、政府の地震調査委員会は、今回のような震災はおよそ600年に一度起きると発表した。
1000年に一回といわれていたがそれを訂正したわけだ。
『理科年表』を開いてみた。10年に一度ぐらい『理科年表』を買っている。手元にあるのは2009年版である。理系の教師や研究者は毎年購入しているかもしれないが、文系人間にはその必要はない。まったく買わなくったってどうってこともないのだが、歴史という観点からはなかなか興味深い情報が詰まっているので目を通したくなる。地震、火山の噴火、台風などの歴史が簡潔にまとめられている。
3.11の大地震は貞観地震(869年)以来といわれたが、今回の調査で平均600年ぐらいの間隔になると見直しをしたのだ。で、600年前あたりの地震を探してみた。それにぴったり当てはまるものはないが、正嘉元年(1257年)に起きた地震がそれらしい。
「関東南部:鎌倉の社寺完きものなく、山崩れ、家屋倒壊し、築地ことごとく破損、地割れを生じ、水が湧きでた。余震多数。同日三陸沿岸に津波が来襲したというが、疑わしい」とある。
この疑わしいのというのが疑わしい。実際、地震・津波があったのではないか。過去の記録は、どうしても朝廷や幕府のあった都市中心になってしまうのはいたしかたないけど、正嘉元年の地震については、多方面からの調査する必要がありそうだ。そういう研究が望まれる。
望まれるなんて、われながら無責任な書き方であるが、こちらはど素人。実際のところ何もできない。研究者にお任せするしかない。
『理科年表』のもうひとつの利用法を紹介しておこう。日食である。今年度の日食の詳細が記載されている。日本では見られずアフリカであるような場合は断念するのだが、日本で見られる場合はこれを年賀状に書く。
「何月何日には日食があります。晴れるといいですね」。この年賀状は評判がよかった。
最新版、つまり2012年版を見てみると、5月21日に日食があることがわかる。金環日食である。しかも日本の多くの地域で見ることができる。これを年賀状にさらりと「今年は5月21日に金環日食が見られます。晴れるといいですね」と書く。いい情報だとほめてくれる。
もっとも最近は年末年始になると、新聞はデカデカ日食情報の記事を載せるので、この年賀状の価値はあまりなくなった。だから、この日食一行情報を年賀状に記載すべきかどうか考えあぐねているところである。
考えあぐねるほどのことでもないけれど、この日が晴れになることを、切に望んでいる。