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落語

2024年6月 6日 (木)

生田寄席 古今亭寿輔

 生田寄席に行ってきた。今回は古今亭寿輔。あのラメ入りの派手な衣装の師匠である。

 今回も明るい鶯色の着物で高座に上がる。しゃべらないうちに、くすくす笑いが起きる。

 いつものように自虐ネタ。私のようなどうでもいいような噺家を聴きに来ていただいて・・・そんなに笑わないでください。お嬢さん。まだ何もしゃべってません。と、客いじりが始まる。

 きょうのマクラは長い。と思っていたら、まだ何をやろうか、浮かんできませんので、どうでもいい話をつづけさせていただきます、との言い訳。

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 途中で、テトロンの羽織を脱いで、女性客に着てみませんかと渡す。テトロンのいいところは夏暑くて冬寒い。撮っていいですよ、というのが、この写真である。

 途中、小噺のような短い噺「英会話」を挟んで、またマクラに戻る。刑務所を慰問したときのエピソードや女性落語家の話。結局、中入りなしでラストまで演じた。

 自虐ネタと客いじり(笑いすぎる客をいじる)に終始した。

 ま、たまには、こんな落語会があってもよいか。

2024年5月19日 (日)

扇遊・鯉昇二人会

  鶴川落語、今回は入船亭扇遊瀧川鯉昇の二人会。二人とも70を過ぎた。味わいあふれるベテラン噺家である。出身も同じ静岡県。熱海と浜松。所属団体は違うが、仲が良い。誰だったか忘れたが、二人で飲んでいるのを見かけたことがあると語っていた。

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 今回の演目

  鯉昇  千早ふる

  扇遊  不動坊

  扇遊  青菜

  鯉昇  お神酒徳利

  おなじみの古典噺である。ただし「お神酒徳利」をやる人は少なくなくなったように思うが、どうだろうか。

  長い噺である。暮れの大掃除、家宝のお神酒徳利の行方が分からなくなる。二番番頭が盗まれてはいけないと水瓶の底に隠していたのだ。ところが当の本人はそれを忘れていた。あとで気づくのだが、女房の入れ知恵で、ただちに見つけないようにする。そろばん占いで徳利のありかを告げる。とうぜんのことだが、、徳利は見つかる。主人は大喜びする。 

 二番番頭の占いは当たる、大したものだと評判になる。これを聞きつけた鴻池の支配人が、主の娘のためにぜひ大阪まで来てくれないか懇願する。で、大阪に向かうのだが、途中の神奈川宿で盗難事件を占うことになる。

 ここまでが前半。このあたりで終えてしまうパターンもあるが、鯉昇さんは最後まできちんと演じた。難しい噺だし、演じきるにはネルギーがいる。とくに頭がしっかりしていないとムリ。高齢になると避けたい噺である。鯉昇さんは、それを乗り越えて、さらっとやってしまう。大したものだ。たぶんきちんとさらっていたにちがいない。もちろんそれは見せない。

 10年ほど前か、鯉昇さんの「お神酒徳利」を聴いたことがある。それと変わらない。風貌もむかしと変わらない。ずっと老けて見える。が、頭脳は若い。私は陶然として聴いていた。

2024年5月 1日 (水)

雲助・左橋二人会

 連休の合間、眼科に行ってきた。眼底の検査をするので瞳孔を開く目薬をつける。これをやるとまぶしくなって視野がぼやける。活字が読みづらい。パソコンの文字も拡大して目を凝らさないと読めない。で、昨日、書くつもりのブログを日延べした。

 二日続けてアルテリッカ演芸座に行ってきた。

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 五街道雲助初音家左橋二人会。雲助は、昨年、人間国宝となった。左橋は川崎ではおなじみの本寸法の噺家である。二人とも先代金原亭馬生の弟子。

 今回の演目

 雲助  お菊の皿

 左橋  竹の水仙

 左橋  宮戸川

 雲助  淀五郎

 いずれもおなじみの噺である。

淀五郎」は歌舞伎ものである。塩冶判官役に抜擢された淀五郎だが、切腹の場面でしくじることになる。由良助役の座頭の團蔵は淀五郎に近づかない。なぜか。淀五郎の演技にダメ出しをしていたのだ。淀五郎はそれがわからない。苦悩する淀五郎はどうやって苦境を脱するのか、そんな噺である。

 歌舞伎ものを演じるにはかなりの技量がいる。声出しが肝心。それをうまくやれる噺家は少ない。柳亭市馬ほか数人しか思い浮かばない。もちろん雲助も入っている。

 雲助はたっぷりゆったり演じた。さすがの芸。人間国宝に値する。観客も引き込まれるように聴いていた。

 雲助の「淀五郎:」は以前聴いたことがある。今日の出来はそれよりうんとよかった。心地よい気分に浸った。

 眼の方は、今朝になってほぼ回復した。といっても、点眼前に戻っただけのことだが。

2024年4月29日 (月)

異芸競演お好み寄席 

 世間はゴールデンウィーク。観光地はさぞや賑わうだろうから、わざわざ出かける気にはならない。近場がいい。円安だのと気にすることもない。

新百合ヶ丘では、例年ゴールデンウィーク期間中、文化の街にふさわしく、芸能、芸術のイベントがいくつも開かれる。

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アルテリッカ演芸座」と称した寄席演芸を観に行った。落語、浪曲、講談、ものまね、活弁と盛りだくさんだった。「異芸競演」である。

 目玉は、101歳の曲師・玉川祐子と人間国宝・神田松鯉(浪曲)になる。

 裕子師匠は昨年も登場した。人気浪曲師である玉川太福の今回の演目は「男はつらいよ 第1作」。このところ、太福は「男はつらいよ」シリーズをうなっている。今回は、90分の映画をぎゅっと10分ぐらいに縮めているので、深いストーリーにはなっていない。ま、こんなものだろうが、聴きどころは裕子師匠の三味線。掛け声も若々しい。年齢を感じさせない。

 ものまねは江戸家まねき猫。動物ものまねだが、やったのはニワトリだけ。ニワトリだけで客席を引き付ける。大したものだ。まねき猫は三代目の猫八(お笑い三人組でおなじみ。若い人は知らないだろうが)の後添えの娘になる。ということは現在の猫八の叔母にあたる。

ニワトリのものまねのやり方を教わった。なるほどそうやればよいのかと思ったが。ひと前ではできない。

トリは、松鯉師匠。おなじみの義士外伝から「天野八頭司兵衛 雪江茶入れ」。以前聴いたことがある。外伝でも有名な噺らしい。いまさら言うこともないが、さすがの芸である。聴衆を引き付ける。

この寄席のプロヂュースは一玄亭米多朗。軽く「動物園」をやった。こまかなことは省く。今回の寄席、落語の影は薄かった。

2024年3月24日 (日)

鶴川落語 毒吐き二人会

 桃月庵白酒春風亭一之輔の二人会に行ってきた。チラシに今回で11回目とあるが、一回コロナで中止となっているので実質10回目となる。

 白酒が、寄席では「看板のピン」をやっているはずだとマクラで語っていた。バクチもの。世の話題が一平賭博で沸いているからね。

 林家やま彦の粗忽エピソード(3/8の当ブログ参照。やま彦は今や落語界ナンバーワンの粗忽キャラになっている)から「粗忽長屋」に入った。

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 今回の演目

 白酒  粗忽長屋

 一之輔 うどん屋

 一之輔 反対俥

 白酒  花見の仇討

 このところ寒い。ということで、一之輔は「うどん屋」。屋台のうどん屋に酔っぱらいがからむ噺である。小三治を踏襲している。

反対俥」には病弱な俥曵きとやたら元気な俥曵きが登場する。元気な男が俥を曳く場面は飛んだり跳ねたりで体力がいる。若くなくてはできない。一之輔の「反対俥」にはこの元気男は登場しない。客と俥曵きが入れ替わるというオチにしていた。なるほど、これなら高齢の噺家でもできる。

 チラシにはこれまでの二人の演目が載っている。すべて聴いているわけではないけれど、なにをやったかという記憶が薄い。それはともかくとして、同じ演目がないか探してみると「短命」が重なっていた。一之輔は二年連続で「百川」をやっていた。こういうチラシ、出してもらいたくないと愚痴を言っていたが、二年連続でも構わない。得意ネタだし、おもしろいからね。

 二人は、今や実力・人気ともトップクラスの噺家である。それを鶴川くんだりで聴けるのは愉快である。花粉は舞っているが気分は良い。

2024年3月20日 (水)

八起寄席

 いい若手落語家を見つけた。春風亭朝枝。二つ目。春風亭一朝の弟子である。ということは一之輔の弟弟子になる。昨年「さがみはら若手落語家選手権」で優勝した。優勝すると近隣での落語会に出演できるという特典がある。で、「八起寄席」に出演することになった。

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 今回の演者と演目

 春風亭朝枝  のめる

 三遊亭兼好  千早ふる

 坂田美子   琵琶演奏

 桂小文治   七度狐

のめる」は「二人ぐせ」ともいう。「のめる」が口ぐせの男と「つまらん」が口ぐせの男二人が、そのくせを言ったら罰金という取り決めをする。何とか相手にそれを言わせようと仕掛けをするのだが・・・という古典噺である。

 一人の男は察しが悪い。その察しの悪さをたっぷりじっくり演じた。観客を少しじらす。ほどよくじらす。うまい。この朝枝、さらに腕をあげるような予感がする。注目だね。

 兼好はいつものように明るくテンポがよい。聴いていて心地よい。心地がよいから何度も聴きたくなる。

 落語会で琵琶演奏は珍しい。演目はもちろん「平家物語」。おなじみの出だしの祇園精舎と那須の与一の場面。寄席では三味線が当たり前だが、たまには琵琶も良い。

 小文治の「七度狐」は、狐に化かされる噺である。狐に石を投げつけた二人旅の男は化かされて、麦畑を川と思いこんだり、寺ではお化けと出会ったり。七倍返しを食らう。大仰にやった。狐にだまされるような噺は大仰にやるのがよい。

 八起寄席では、チケットの半券10枚集めると、手ぬぐいがもらえる。写真がそれ。前回と同じデザインのものだった。ということは、この落語会にはそこそこ出かけているということだ。

 引き出しには使われていない手ぬぐいがいくつもたまっている。ハンドタオルとしてバッグに入れているのだが、あまり使わない。だから、減らない。

 

2024年3月10日 (日)

しんゆり寄席 餃子問答

 餃子の消費量は浜松が全国一になった。宇都宮とトップを競ってきたが、そこに割り込んだのが宮崎。二年連続で宮崎がトップをとったが、昨年は浜松が巻き返した。三者は僅差、これからも三つどもえの競り合いとなる様相となっている。ま、低レベルのことで、どうでもいいトップ争いである。

  わが麻生区は平均年齢が男女とも全国一となった。これに比べりゃ餃子など小さな話である。

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 しんゆり寄席。今回のゲストは滝川鯉昇である。鯉昇師匠は浜松出身である。

  この寄席、演目はあらかじめ発表(ネタだし)されていて「蒟蒻問答」を演る。蒟蒻屋の噺であるが、鯉昇師匠は、改作して「餃子問答」にしている。前に、聴いたことがある。浜松出身だから餃子に変えた、のかもしれない。

 今回の演者と演目

 一玄亭米多朗  時そば(歳そば)

 初音音左橋   棒鱈

 瀧川鯉昇    蒟蒻問答(餃子問答)

 米多朗の「歳そば」は「時そば」の改作。「今 何時か?」を「娘は何歳か?」に変えている。子供には、江戸時代の時の刻み方がわからない。それを易しく年齢に変えたもの。鯉昇師匠が子供向きに「時そば」を「歳そば」に変えてやっていた。なるほどと思い、鯉昇師匠に頼んで「歳そば」をやることを了解してもらったという。

 左橋の「棒鱈」。酔っぱらいの噺であるが、数日前の「生田寄席」で入船亭扇遊を聴いたばかり。続けて同じ噺を聴くことは、ままあるけれど、それほどやられない噺を続けてということはめったにない。

 トリの瀧川鯉昇は先述したように「蒟蒻問答」の餃子バージョンである。マクラはいつものようにゆるい。とぼけた味が客席を和ませる。きちんと計算されたギャグをさりげなく織り込む。ありふれた古典噺も鯉昇師匠の手になると一味ちがってくる。うまいものだ。期待通り。

 けっこうな落語会でした。

 

2024年3月 8日 (金)

生田寄席 入船亭扇遊

 生田寄席(棕櫚亭)、今回は入船亭扇遊の独演会。三席たっぷりの熱演だった。

 開口一番は柳亭市若。生田寄席ではおなじみの二つ目である。マクラのネタは林家やま彦だった。やま彦は落語に登場する与太郎のようなキャラらしい。春風亭一之輔もマクラでやま彦のことをとりあげていたことがある(顔つきは、ジャガイモにシジミのような目が二つ)。天然の粗忽者らしい。ちょっとずれたエピソードにはこと欠かない。童顔で愛嬌があるから、ミスをしても、やま彦ならしょうがないかとなる。

 そのエピソードの一つ。師匠(林家彦いち)の家の隣で立ち小便をしたことがある。隣家は怒った。師匠はやま彦を伴い、ケーキを持って隣家に詫びに行った。ところが、実際に小便をしたのは向かいの家だった。落語の「粗忽の釘」のような実話。これからも楽しみなやま彦である。

 市若はそんなマクラからすんなり「堀之内」に入った。「堀之内」は粗忽な慌て者の噺である。

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 まだあるやま彦の粗忽エピソードはさておき、扇遊師匠の演目。

 天狗裁き

 棒鱈

 明烏

 70を過ぎたが、ますます元気である。声が大きく力強い。私より6つばかり若い。むかしは、私より歳をとっていると思っていたが、私が追い越してしまったような気がする。こちらがうんと老けてしまったからである。声が大きいと老けないのかな。

 丁寧に演じた。客席の盛り上がりもいいので、さらに熱演となり、二席の予定が、三席となった。「棒鱈」を付けたしたのだろう。

 たっぷり楽しめた。

 5月には扇遊・鯉昇二人会のチケットをとっている。たのしみだ。

2024年2月19日 (月)

「語る映画 奈々福・大福 浪曲二人会」

 映画を落語にして演じることはよくある。今回は浪曲で。玉川奈々福・玉川大福の二人会をアートセンター聴いてきた。二人は浪曲界の若手人気スターである。若手ではなくて中堅か。浪曲ブームを支えている。

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 今回の演目

 大福   男はつらいよ 寅次郎相合い傘 

 奈々福  平成狸合戦ポンポコ

 2時間近い映画を30分程度にぎゅっと縮める。どこをカットしてどうつなげるかという編集作業が出来の良しあしを決める。たくさんの登場人物を演じ分けなければならないからそれなりの技量もいる。聴き手の想像力(聴き手は映画を観ているとして)に依存するところはあるとしても、けっこう難しいし、また聴きどころでもある。

 寅さんシリーズは50作もある。「相合い傘」と聞いてもさて、どんなあ映画だったか思い出せない。リリー(浅丘ルリ子)がマドンナになる。しかし、リリーのものは何作かある。さて、どんなだったかと思うのだが、それはどうでもよい。聴き始めれば思い出す。メロンのアレだった。

 メロン騒動は寅さんシリーズの中でも屈指の名場面である。メロンの一切れをめぐって寅さんがいじける。渥美清のひがみと怒りの演技に誰もが大笑いした。この場面は何度観ても可笑しい。大福は、もちろん浪曲らしく大仰に演じた。

「平成狸合戦ポンポコ」は高畑勲監督作品。多摩丘陵の自然が都市化で失われていく姿を描いたアニメである。奈々福は笑いをとりながら絶叫調で演じた。ラストの盛り上げかたがすごかった。うまい切り取り(編集)だった。タヌキはわずかだがタヌキとして生き延び、化け方のうまいタヌキは人間に変身して生きている。

 奈々福はいつ聴いても声に張りがある。

 アフタートーク。

 大福の寅さんシリーズは15作あるのだそうだ。へーそんなにやっているのか。落語の立川志らくは、全作品を落語にしたとの話を聞いたことがある。それに追いつかなくてもよい。多いだけが能じゃない。全部やらなくてもいいから、厳選してブラッシュアップしたものをまた聴きたい。

 奈々福にはおなじ高畑監督の「かぐや姫の物語」をというリクエストが多いのだそうだ。あれはできないと語っている。あのスピード感とラストの映像はほかに置き換えるのは困難である。無理をしてやることもないと思う。 

 ついでのひとこと

 今回の曲師(三味線弾き)は若かった。曲師というと高齢者が多い。豊子師匠とか祐子師匠。今回は初々しいお嬢さん。合いの手もかわいい。三味線だけでなく、曲師の姿や掛け声も芸のうち。よかった。100歳を過ぎた祐子師匠も若々しいけど。

2024年1月20日 (土)

 文珍独演会

 桂文珍の独演会に行ってきた。二年ぶり。昨年はチケットを買っていたのだが、それを忘れて桂雀々のチケットを買ってしまった。どちらに行くか。妻に事情を話すと、文珍を聴きたいと言う。で、妻に文珍をやり、わたしは雀々を聴くことになった。その夜、妻に感想を訊くと、すごくおもしろかったとのこと。ふーん、やっぱりそうか。

 で、二年ぶりとなった。

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  今回の演目

 老婆の休日

 落語記念日

 星野屋

老婆の休日」は文珍お馴染みの噺。得意ネタである。初演から45年になるという。なんど聴いてもおもしろい。

  ギャグの一つを紹介しておくと・・・、 ある老婆。からだのどこを押しても痛い。肩を押しても腹を押しても痛い。ひとの肩を押しても痛い。この歳になり、ひとの痛みがわかるようになった。もうダメかと、病院に行くと、指の骨が折れているとの診断だった。

落語記念日」は新作。昨年の12月につくったばかりという。未来の話である。VRなどAIの技術が進んで落語が絶滅してしまった。落語を知らない世代に、扇子や手ぬぐいの使い方を説明するのだが、トンチンカンな展開となってしまう。これも笑わせるが、まだ発展途上にあるストーリーだとも言える。

星野屋」は古典噺。旦那がお妾さんに別れ話を持ち出す。これが心中しようということになるのだが、そこは海千山千の二人。ばかし合いとなる。

 いつ聴いても文珍はおもしろい。笑わせるツボを心得ている。それだけではない。サービス精神にあふれているというか、観客を大切にしている。さすが、大看板である。

 

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